ガンはなぜ転移するのか?-その予測法と予防法―

ガンの原発巣を手術か放射線で治療した後、転移さえしなければガン死亡リスクは非常に少なくなると考えられています。したがって、初期治療後の転移予防対策が大変重要と言えます。ところが、標準治療には転移予防法が全くないのが現状です。では、どうすれば?まずは、ご自分の転移リスクを予測しましょう。


転移リスク予測法

  1. ステージがI~IVと高いほど転移し易い。
  2. ガン組織の分化度は高分化、中分化、低分化とリスクが高くなり、未分化で最も高くなる。したがって、ステージと分化度を知っておく事が重要です。
  3. NK活性(ナチュラル・キラー細胞の強さ)が弱いほどリスクが高い。米国の研究では、NK活性が強い人の治療効果は弱い人の2倍良くなる事が分かっています。

    NK活性は血液検査で出来ますので、一度検査されると良いでしょう。
  4. CTC(循環ガン細胞検出検査)の個数が多いほどリスクが高い。これも血液検査で可能です。
  5. 骨密度が低いと、遠隔転移のリスクが高い。これは最近注目されている研究領域です。ガン細胞はまず骨髄に入り込み、ここで悪性度を増して再び血流中に入り遠隔臓器に転移すると言う経路です。骨密度が低いと、最初骨髄に入り易いと言われています。

    では、どうすれば転移を予防出来るのでしょうか?

今すぐ出来る転移予防法

  1. ナチュラル・キラー(NK)細胞を強くする

    この細胞は常時血液中を流れ、自力でガン細胞を見つけて破壊してくれているのです。NK活性が正常な人では、血流中のガン細胞の99%を退治しています。転移予防上,NK細胞の強さが極めて重要なのです。

    十全大補湯と高麗人参(前出)にこれを強くする効果があります。また、メラトニン(誰でも夜になると増える脳内ホルモン)を1日1回寝る前内服を続ける事も必要です。
    (メラトニンは安価なサプリメントですが、当クリニックではそのガン治療上望ましい種類や服用法の情報提供をしています)

    上記でNK活性増強効果不十分な場合は、ラブレ・オリジナル(植物性乳酸菌製剤、腸管免疫効果)の併用が望ましいです。

  2. 転移の予防薬シメチジン

    血流中を流れているガン細胞は、「接着因子」とよばれるボンド糊のような成分で血管壁にくっつき転移します。シメチジンにはこの接着因子を消去する事で転移を予防します。

    国立東京医療センターで、進行大腸ガンでも標準治療にシメチジンを併用すれば、5年生存率では3.1倍、10年生存率で2.8倍と何れも大幅に良くなるデータが出されています。
    シメチジンは我国で長年胃薬として使われ、副作用の無い良薬です。当クリニックでは、ガン治療中で胃炎や胃液逆流等で胃薬が必要な人には、シメチジンを処方するようにしています。

  3. 骨密度対策

    骨密度検査の結果、その指数(yam)が80%未満の場合ニハ、ビスフォスフォネートという種類の骨密度増強剤の内服が必要です。


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