ガンの温熱療法(ハイパ―サーミア)を健康保険で実施

サーモトロンという装置で患部をはさみ、温める治療です。
これによって病巣部の温度が42~43度に上がり、熱に弱いガン細胞が死滅します。同時に周囲の免疫細胞が強くなり、ガン細胞を退治します。更に、抗ガン剤、放射線療法、免疫療法の効果も増強されます。一つの治療法で同時に三つの効果がある、まさに一石三鳥の治療法です。
しかも、副作用がなく繰り返し何回でも出来る、体に易しい方法です。



実際の効果

京都府立医大(消化器内科)の発表によると、手術不能膵ガンへの抗ガン剤単独の奏効率(消失・縮小・不変)が14,3%に対し、温熱療法併用では57.1%と大幅に良くなり、平均生存期間でも抗がん剤単独が198日に対し、温熱併用では327日と格段の差のあることが明らかになっています。

群馬大(消化器外科)の発表では、手術前の直腸ガンに放射線・抗ガン剤・温熱療法併用治療の結果、画像診断などでガンが消失した例が54.9%に上っています。

戸畑共立病院(ガン治療センター)によれば、肺ガンに抗ガン剤と温熱療法の併用により治療効果が、薬剤単独の2倍以上になると言います。

岡村一心堂病院(腫瘍内科)によると、末期肺ガンの場合1年後の生存率が抗ガン剤単独では26.3~47・5%なのに対し、温熱療法併用では63.7%と顕著な差が出ています。また、抗ガン剤を標準量の1/5~1/7に減量投与しても、温熱療法を併用すれば十分な効果が得られると言います。

樹状細胞療法などの免疫療法を行っているクリニックなどでは、その効果が大幅に高められるとして、温熱療法の併用を推奨しています。


実際の治療方法

ベッドの上に伏臥位か仰臥位で寝ていただき、患部を柔らかい水袋の付いた電極盤で挟みます。そして徐々に温度を上げ、35分間治療します。身体表面は水袋の循環水やエアコン、扇風機等で冷やします。全身は温まって汗は出ますが、あまり熱くはありません。慣れれば読書やテレビを見ながら治療できますし、中には熟睡する人もあります。

治療回数は2~3ヵ月に8回が1クールで、通常これを繰り返し続けます。年単位で継続されている方も沢山おられ、進行ガンでも元気で過ごされています。
副作用は殆どありません。最初数回は、皮膚の発赤や水泡が生じたり、皮下脂肪の硬結が見られる事がありますが、慣れてくれば大丈夫です。

なお、体内に金属(金属ステント、ボルト、ペースメーカーなど)を留置している場合は出来ません。ポートの場合はその金属含有量によりますので、事前にお問い合わせ下さい。


費用

この治療が出来ない脳と眼、血液以外のすべての部位のガンの治療が健保適用となっています。

ご負担額(1クール8回分):
深部内臓腫瘍:3割負担の方:27000円/1割負担の方:9000円
表在性腫瘍:3割負担の方:18000円/1割負担の方:6000円

※契約条件により、ガン保険支給の対象にもなりますので、保険会社にお問い合わせください。


温熱療法ご希望の方へ

ガン診療拠点病院等で温熱療法を実施している所は、非常に少ないのが現状です。したがって、当クリニックでは他の病院や他県でガン治療を受けておられる方も、積極的に受け入れ、温熱療法を実施しております。
ご希望の方は電話かFAXでお問い合わせ下さい。


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