【生薬・7】


【党 参】
起原:キキョウ科ヒカゲツルニンジンの根
性味:甘・微温/肺・脾
成分:アルカロイド、サポニン
薬理:補中益気、強壮、健胃
用量:12〜30g、人参の代用として2〜3倍量を用いる。
........................................................................
【灯芯草】
起原:イグサ科トウシンソウの茎の髄又は全草
性味:甘・淡・微寒/心・小腸
成分:アラビックガム、キシラン
薬理:清熱利湿
用量:1.5〜3g
........................................................................
【桃 仁】
起原:バラ科モモの種子の仁
性味:苦・甘・平/心・肝・大腸
成分:アミグダリン
薬理:破血去於、潤燥滑腸、鎮痛、消炎、解毒
用量:3〜9g、多量に用いない。習慣上妊婦には使用しない。 詳解

........................................................................

【菟絲子】

起原:ヒルガオ科ハマネナシカズラの成熟種子
性味:辛・甘・平/肝・腎
成分:--
薬理:補腎益精、明目、止瀉、安胎
用量:6〜18g

........................................................................

【杜仲・唐】

起原:トチュ科トチュウの樹皮。写真では分かりにくいが、糸を引く性状のため「虫が巣食っているのではないか」という間違った苦情がしばしば寄せられる。
性味:甘・微辛・温/肝・腎
成分:グッタペルカ
薬理:補肝腎、強筋骨、安胎、降圧、鎮静
用量:6〜15g 詳解

........................................................................

【橙 皮】

起原:ミカン科酸橙の未成熟果皮
性味:微辛・微苦・平/肝・胆
成分:オレンジオイル・ヘスペリジン
薬理:理気・去痰・健胃
用量:3〜6g 陳皮の代用とされるが効果は弱い

........................................................................

【南天実】

起原:メギ科ナンテンの果実、白実と赤実があり、白が重宝されるが効果に差異はない。
性味:--
成分:アルカロイド
薬理:咳、中風、疲労回復、強壮
用量:5〜10g、民間薬としてキンカンとともに煎じて咳止めや喉の痛みに用いる。

........................................................................

【南蛮毛】

起原:イネ科トウモロコシの花柱と柱頭
性味:甘・平/肝・腎・膀胱
成分:シトステロール、有機酸
薬理:利水通淋
用量:9〜12g

........................................................................

【苦 木】

起原:ニガキ科ノガキの木部
性味:--
成分:クアッシン
薬理:健胃・殺虫
用量:5〜10g

........................................................................

【ニクズク】

起原:ニクズク科ニクズクの成熟種子の仁
性味:辛・温/脾・胃・大腸
成分:精油、ミリスチン
薬理:渋腸止瀉、温中行気、健胃、駆風
用量:1.5〜4.5g、炎症性の下痢には用いない。

........................................................................

【忍 冬】

起原:スイカズラ科忍冬の蔓茎
性味:甘・寒/肺・胃・心・脾
成分:ルテオリン、イノシトール
薬理:清熱解毒は花蕾(金銀花)より弱いが去風活絡の効果が強い。
用量:12〜30g 詳解

........................................................................

【人 参】

起原:ウコギ科ニンジンの根
性味:甘・微苦・微温/肺・脾
成分:ジンセノシド
薬理:大補元気、安神益智、健脾益気、生津
用量:1〜9g、補陽の力が強いので陰陽両虚に用いる。多量・長期服用で頭痛、不眠、動悸、血圧上昇など生じることがある。 詳解

........................................................................

【人参・紅】

起原:ウコギ科ニンジンの根を蒸したもの
性味:甘・微苦・微温/肺・脾
成分:ジンセノシド
薬理:大補元気、安神益智、健脾益気、生津
用量:1〜9g、滋陰の効能があるので病後の虚脱や脱水に用いる。多量・長期服用で頭痛、不眠、動悸、血圧上昇など生じることがある。

........................................................................

【人参・毛】

起原:ウコギ科ニンジンの根で加工時にできる比較的細かいクズ。
性味:甘・微苦・微温/肺・脾
成分:ジンセノシド
薬理:大補元気、安神益智、健脾益気、生津
用量:1〜9g、やや苦寒で補気の力は弱い。陰虚による虚火上炎に使用する。多量・長期服用で頭痛、不眠、動悸、血圧上昇など生じることがある。

........................................................................

【貝 母】

起原:ユリ科アミガサユリの鱗茎
性味:苦・寒/心・肺
成分:ペイミン
薬理:潤燥化痰、鎮咳
用量:5〜9g、寒痰には効かない。 詳解

........................................................................

【麦 芽】

起原:イネ科オオムギの発芽した種子
性味:甘・平又は鹹・温/脾・胃
成分:アミラーゼ
薬理:疎肝醒胃、消食除満、和中下気、健胃、退乳
用量:12〜30g 詳解

........................................................................

【白芥子】

起原:アブラナ科シロカラシの成熟種子
性味:辛・温/肺
成分:シナルビン
薬理:利気去痰、消腫止痛
用量:3〜6g、辛温なので陰虚火旺や痔出血のときは使用しない。水と反応し硫化水素を発生し、それが腸管を刺激し蠕動を促進する。多量に用いると下痢を引き起こす。

........................................................................

【柏子仁】

起原:ヒノキ科コノテガシワの成熟種子
性味:甘・辛・平/心・肝・腎
成分:ボルネオール
薬理:寧心安神、潤腸通便、止汗
用量:6〜9g、下痢のときは禁忌

........................................................................

【白刀豆】

起原:マメ科ナタマメの種子
性味:--
成分:グロブリン、カナバリン
薬理:民間薬として咳、病後の体力回復などに用いる。
用量:5〜10g

........................................................................

【白扁豆】

起原:マメ科フジマメの種子
性味:甘・微温/脾・胃
成分:デンプン、ビタミン
薬理:消暑化湿、和中健脾
用量:6〜18g

........................................................................

【麦門冬】

起原:ユリ科ジャノヒゲの塊状根
性味:甘・微苦・微寒/心・肺・胃
成分:オフィオポゴニン
薬理:潤燥生津、化痰止咳、強心、強壮
用量:6〜18g 詳解

........................................................................

【破胡紙】

起原:マメ科オランダヒユの成熟果実
性味:辛・苦・大温/脾・腎
成分:コリフォリニン、プソラレン
薬理:補腎温脾、固精縮尿
用量:3〜6g、熱性、燥性が強いので陰虚火旺には用いない。

........................................................................

【蜂の巣】

起原:アシナガ蜂、スズメ蜂の巣
性味:甘・辛・有毒/胃
成分:ミツロウ、樹脂
薬理:去風解毒、散腫止痛、血液凝固促進
用量:2.5〜6g、外用としては乳腺炎、瘰癧、化膿症に煎じ液を湿布、軟膏に練りこんで塗布。

 

 

INDEX  NEXT