青備前
『青』は、二通りの焼成方法があります。

【 冷却還元の青 】 と 【 塩による青(塩釉)】です。

主に連房式登り窯の一部分で焼成しますが、小さな窯で焼成する場合もあります。
私は専用の還元小窯を使っています。
【 冷却還元の青 】
窯焚きが最高温度に達した後に、炭を入れて一酸化炭素を発生させます。
温度が下がりながら還元状態になる『冷却還元』となります。
一酸化炭素は、非常に酸素と結びつきやすい性質があります。
その為、粘土中の酸化金属と結びついている酸素が奪われます。
これにより酸化金属が還元されて、発色します。
備前焼の場合は主に酸化鉄が還元されて、『青〜黒』の発色となります。
全体を発色させる為には サヤ(匣鉢)という箱に入れて丁度蒸し焼きのような状態で窯詰めしておきます。
【 塩による青(塩釉)】
単房の小窯で焼成し、最高温度に達した後に焚口から塩を投入します。作品はサヤ(匣鉢)には入れません。
塩を投入する事により、窯の中はガス状の釉薬の微粒子が充満します。これらが器にまとわりついて『塩釉』となります。
釉薬ですから、ガラス質のツルツルした質感になります。当然、器だけでなく窯の内壁にも塩釉がつきます。
塩の投入後は、焚口や煙道を密閉し、熾(おき)やガスによって窯全体を冷却還元状態にします。
発色の仕組みは冷却還元と同じですが、表面の質感が異なります。
『塩釉』そのものは、民芸陶(イギリス、ドイツ、日本)などでも行われています。

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備前焼 渡邊琢磨