【朝鮮朝顔】


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観賞用として各地で見られ、学名はDaturaというナス科の有毒植物だ。原産地は南アジアで、薬用植物として江戸時代(1684年)に渡来した。マンダラゲやキチガイナスビと呼ばれることもあり、華岡青洲(1760〜1835)はこれを主成分とする内服の全身麻酔薬「通仙散」を用い日本初の乳癌手術に成功した。根・茎・葉・花・種子すべてにアトロピン、スコポラミンなどのアルカロイドを含み、幻覚性もある。アトロピンは中枢神経を最初興奮させ次いで麻痺させる。また副交感神経を麻痺させ散瞳、眼圧亢進、気管支筋弛緩、汗・唾液・消化液などの分泌抑制、平滑筋の鎮痙作用などがあり、副交感神経作用薬として内服、点眼、注射剤で利用される。モルヒネのように直接的な鎮痛作用はないが、痛覚が鈍くなるので麻酔薬として使われた。摂取量が多いと意識混濁、言語障害、見当識障害、譫妄、昏睡、記憶喪失などの副作用をもたらす。アトロピンを含有する同属植物は他にロート根、ベラドンナ葉がある。

調べてみると、ヨーロッパでは魔女が集会に行くとき、乾燥葉を香炉で焚いて幻覚に浸ったという。またオウム真理教が信者の洗脳に使っていたという話もある。最近、トランペットフラワーあるいはエンゼルトランペット、キダチチョウセンアサガオの名で園芸店で販売されている。

 

 

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