わたしの中の 標本箱から 『曖昧(あいまい)』を取り出してみる こんなにもあった 名付けられない感情 |
恥ずかしげもなく ぽかんと口を開けて エサを待つ 食虫植物に なりさがる |
わたしの自意識は 川面にたゆとう 花 ただ とうとうと ながれゆく |
黄昏は 逢魔が時と 人が言う 魔に逢いたいと ひとりごち |
泣き叫ぶ風と おおい隠す雪と 突き刺す氷 それらにはぐくまれて 北の魂がある |
もうそろそろ 葬ってもいい 自分の中の なんの役にもたたない 自意識 |
饒舌に人生を語る あなたはきっと わたしの痛みに気づかない 優しさなんか もう探さない |
固くなったパンと 一冊の本 古くなったあめ玉と 自分だけの時間 その日暮らしがしてみたい |