登窯  (連房式登り窯)
のぼりがま
登窯(のぼりがま)とは、連房式登窯のことです。  
各部屋に分かれている為、還元焼成に適した構造であり、
空気をなるべく少なくして焚くことにより、
粘土の中の鉄などの金属を還元させ、
紫蘇色、灰色、青色……などに発色させることが可能です。

■歴史■
江戸時代末の天保年間に、需要の変化への対応と
コストダウンをはかって、小型の登窯(天保窯)が
導入されました。
この窯は別名、融通窯ともいいました。
大窯との併用は しばらくは続きますが、
やがて大窯はその姿を消します。

この天保窯は 瀬戸型(京都式)の登窯をそのまま導入し、
幅3.5メートル、長さ16メートルで8室あったと
いわれています。
その後、個人窯の時代となり、胴木の間(燃焼室)が
大型化して、第一室の『ウド』(初戸、運道)となり、
3〜5室となって、現在の備前スタイルとなりました
■特徴■
昭和入ると 意識的に景色(焼け)の変化を狙うために、
更に窯の改良がなされています。
第一室と第二室の間に小間
(秘密室、機密室、気満室)を作ったり、
室の大きさに変化をつけたり、
炭を入れる口を作ったり、
酸化焼成で焼ける室を設けたり……の
工夫が個々でされています。
登窯の断面図

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備前焼 渡邊琢磨