氷河


  夜の代々木駅のホーム

  遠ざかる君の後ろ姿

  ぴんと伸ばした背筋の

  その背中が 足取りが

  髪の一筋々々が余りに哀しくて

  閉じた扉に額を押し付け

  僕は涙を堪えていた



  こんなにも 君を

  好きになってしまうなんて



  どうしてあの時

  抱きしめてやらなかったのだろう

  素直になれない自分を

  実に情けなく思い



  でも君は

  触れると消えてしまいそうな

  儚い幻のようで

  夢の中の一輪の花みたいで

  僕は為す術もなく

  ただ 見つめるだけだった



  ああ こんなにも君を

  好きになってしまうなんて



  次に会うまでの数週間 それは

  僕にとっての数千年

  君のその後ろ姿を

  胸に抱いて眠ろう

  厚い氷河の底よりも

  深く 深く眠ってしまおう



  この切なさが凍りついた時

  ほんの少しの 勇気が

  見つけられるかも知れない


 具体的に地名とか出しちゃうとリアルよね。この恋も終わりました。


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