気が付くと

  以前(まえ)にも同じ事を

  していた気がする

  そんな時 貴方は

  同じ処に戻っている



  何年も 何十年も経って

  同じ気持ちに巡り合った

  そう思える時

  その何年 何十年は

  一瞬の間に現れた

  幻像まぼろしでしかない



  日々考え

  動き回り

  思い悩み

  また 楽しんで

  そんな日常の事柄は

  夢の中の一瞬



  貴方は必ず

  此処に帰ってくる

  と言うより 最初はじめから

  貴方はこの場より

  一歩も動いてはいない



  此処の外に

  場所と呼べる何処もなく

  今以外に

  時間ときと呼べる何物も在りはしない



  在るのは 貴方と

  貴方を取り巻いて

  渦巻き流れる幻影ヴィジョンのみ

  それも皆

  貴方が造り出した波動

  意識が描く永劫の螺旋



  外界を分け隔て

  一切万物を生み出すのを止めて

  いつか 再び貴方は

  この場所に帰ってくる


 '88年末の特集テーマ[帰]への応募作品。
 世界が幻影(マーヤー)ならば、じつはこうした問い掛けは成立せずに、ここで『貴方』と言っているのは取りも直さず僕自身な訳ですが。
 しかし、こうして僕以外の読者を想定してしまっている所がそもそも宇宙的な罠なのか?(苦笑)


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