TOP

このコンテンツは、実在しない空想上の鉄道「東急砧線」について、「2003年現在の様子」として、2004年7月20日に公開したものを再録したものです。
記載内容の大半は、現実とは異なる空想上のものです。ご留意下さい。

◆沿線案内・砧線(2003年)

 二子玉川園…じゃない、二子玉川の駅も、近年の工事ですっかり様変わりしました。新玉…もとい田園都市線と大井町線は番線がそっくり入れ替わり、駅全体が南に移動して、ホームはますます多摩川の川風に吹きっ晒し。
 さて、砧線の発着する高架下の5・6番線はというと、どう変わるのかと思っていたのですが、結局今のところ大した変化はありません。変わったことと言えば、大井町線につながっていた連絡線が無くなって、砧線が完全に離れ孤島になったことぐらいです。もっとも、溝の口まで複々線化して乗り入れるとか、地下化して地下鉄環八線につなげるとか、実現しそうなのから無理そうなのまで、いろいろと噂もありますので、今後どうなるかは解かりませんが…。
 もちろんこのことで、電車の運用はものすごく変化しました。それまでは田園都市線の長津田工場に通っていた砧線の電車は、現在は野川電鉄の北府中工場に管理を委託されているとのこと。野川電鉄でも東急の中古車を使っているので、技術的な問題は無いのでしょう。

 先発の電車は、その東急の7200形3両編成の深大寺行でした。この時間帯の砧線は、全ての電車が野川線に直通していて、国分寺行と深大寺行がそれぞれ15分間隔で出ています。反対側のホームに野川線の電車が到着し、入れ違いにこちらが発車。
 線路は、駅構内を抜けるとすぐに左に曲がり、玉川通りの踏切を渡ります。この先のバイパス(国道246号線、大山街道)とは立体交差になっているとはいえ、旧道の方も交通量は多く、いつも渋滞しているような印象です。
 踏切を渡りバイパスの下をくぐって、建て込んだ住宅やマンションの間の路地裏のようなところをしばらく走ると、交換駅の吉沢です。玉電時代は、二子玉川園と吉沢の間に中耕地という電停がありましたが、今は記念碑が建つのみです。
 吉沢の駅は全体が曲線にかかっていて、電車とホームの間にかなり隙間があります。電車が来るたびにホームの下で点滅する回転灯が何とも鮮やか。単線で7〜8分間隔という過密運転ゆえ、ここでも電車の行き違いがあります。対向列車は野川線の450形3両編成。二子玉川では折り返して次の深大寺行きになるはずです。

 吉沢を発車して玉堤通りの踏切を過ぎると、野川に架かる鉄橋を渡ります。普段、上流の方の狭い野川を見慣れた自分には、この広い(と言っても20m位)川にはちょっと違和感が。堤防も土の土手ながら結構高く、下流域だな〜という雰囲気を感じます。川の中に自転車が落ちてたりするのが残念。
 野川を渡ると、両側の家並みもようやく隙間が開いてきて、左側には多摩川の堤防とその向こうに開けた空、右側には野川沿いの緑地が見え隠れします。線路は右に曲がって野川と平行に戻り、砧浄水場の裏を抜けます。

 浄水場の外れの少し手前で、線路はまた右に曲がります。ここから今の砧本村駅までの区間は、砧線の改軌時に新設されたものです。
 玉電時代は、砧線はここをまっすぐ進み、現在の東急バス折り返し場のところに終点の砧本村電停がありました。野川電鉄の砧本村駅は、駅名こそ同じながら、駅前の道を北へ200mほど行った場所にあって、この間の商店街はいつも乗り換えの乗客で賑わっていたとか。
 こうなった理由は、先に開通していた砧線の駅の正面に「わかもと」の工場があり、野川電鉄が砧に乗り入れる際、この工場の北側にしか用地を確保できなかったためのようです。砧線と野川線の直通にあたっては、砧線が野川線の駅に乗り入れるよう新線を作ったわけです。

 電車はぐっと減速して、商店街の踏切を渡り、砧本村駅の3番線に到着。交代する乗務員と一緒に電車を降ります。砂利採取をしていた頃の名残か、2面3線のホームに加え留置線もある広い構内で、3番線は一番南側。北側にある駅本屋と1番線へは構内踏切を渡ります。留置線の向こう側は元のわかもと工場、今は駒沢大の玉川キャンパスです。
 駅本屋は築40年は経つと思われる木造寄棟造平屋建。何時の間にかえらく都会っぽくなった二子玉川とは、雰囲気にものすごいギャップがありますな。自動改札もまだ設置されていないので、パスネのカードを駅員に処理してもらって改札を抜けます。二子玉川で改札を一旦出ているので、このまま野川線に直通すれば50円の運賃割引がある筈ですが、今回は砧線がメインゆえ。

 まあ、メインと言っても既に終点に着いていますので、あとは駅前の商店街をうろついて、旧駅跡からバスで二子玉川に戻ることとします。砧線2.2km7分の旅、ご同行ありがとうございました。


補遺(2017年1月)

 本文中、使用車両について「7200形」とありますが、東急7200形はこの時点で7600形への改造により全廃されており、正しくは7600形(7200形の機器更新車)です。
 また、参考となる関連年表(架空)を下に示します。