松之山自然科学館設計競技案
新潟県松之山町の自然科学館の設計競技応募作品です。
松之山町は温泉やスキーの町で、最近では芸術を中心とした町興しでも知られています。
この自然科学博物館(当時仮称)の設計競技もその一環として行われたものです。
私たちはまず、松之山の里山の美しさを壊さない造形、周囲に溶け込むような建物の形態を目指しました。
後方に背負った山の稜線に合わせた屋根は、この建物の主役です。
変化してゆく屋根勾配は、冬季の積雪にも十分に対応できるものです。
屋根を支える集成材の柱梁は、松之山の森をイメージしています。
建物は周辺の造成工事を最低限に抑えるような配置を心がけました。
その結果、建物が入口とその前の広場を囲むような配置となりました。
敷地の中央を縦断する松之山の散策路をアプローチとして利用し、入口周りではオリエンテーションやイベントが行えるようなスペースを用意しました。
この建物は松之山の自然を比喩として使っています。
広場から見上げる建物の屋根は、松之山の山並みを想起させます。
「自然科学館」のテーマとして、「松之山の自然を遊びながら学ぶ」という役割をその中心に据えました。
松之山の地形をなぞらえたり、山や川や森など自然の一部を模した形状を用いるなど、工夫を凝らした展示を盛り込んでいます。
そしてコースの最後は外に出て、実際にそこに存在している松之山の野山を味わうことが出来るのです。
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