遊魂
真冬の夜
漆黒の空(くう)を透かしてみる

立ち枯れた草と草の間に
青白く尾を引く人魂があったら
それはわたし

ひなを抱き 蜜を集めるのに飽きた
わたしの魂

空を懐かしんで
夜の街をあくがれ出る

あれはきっと
帰る体を見失って
長いこと彷徨するのだろう