
| 陽の光が感じられない風景。 どんよりと曇った空と、灰色の海、荒れた波。 泥と雨と暗い森。 6才で言葉を失った女性エイダとその娘は、まだ見ぬ再婚相手の元へ、 最愛のピアノと一緒に嫁ぐ。 浜に着いた2人を迎えに来た夫は、足手まといになるからと、ピアノを 浜に置き去りにしてしまう。 エイダの弾くピアノは、聴く人の心を決して癒すことはない。 陰々と響く旋律は、心にきりきりと突き刺さるガラスの破片のよう。 なぜなら、ピアノは失ったエイダの言葉そのものだから。 かたくなに閉ざした魂そのものだから。 エイダの魂を浜に置き去りにした夫は、さらにピアノを学問もなく ピアノも弾けない男に、土地と引き替えに譲ってしまう。 夫に命じられるまま、男の元にピアノレッスンに通うエイダ。 そして軽蔑は好意に、好意は愛情に変わっていく。 二人の関係はやがて夫に露呈し、エイダは夫によって、かけがえのない ものを永遠に奪われてしまうことになる。 エイダはそれと引き替えに、男との愛を貫き夫の元を去る。 そしてラスト、船の上からピアノと共にそれまでの自分自身を 海の底に葬ったエイダは、ようやく長い間の呪縛から解き放たれた。 ***************************** 重い作品だったけど、心に深く残る一本でした。 それにしてもあの当時の女性って、あんなぶん長いスカートはいて 泥道こいで歩いてたのね。 すそなんかぐっちゃぐちゃ。洗濯大変そう。 で、コルセットだの、スカート広げるフープみたいなやつとか いっぱい身につけて、トイレの時とかいちいちめんどいやんけー。(爆) |