鬼が棲む
起き抜けの闇の中に 鬼が笑うよ
鬼はあたしの魂を もっともっととせがんで消える
楽しい夢を見ていたのに
幸せな夢 見てたのに
朝ぼらけの暗闇の中で
おんな鬼はにやりと笑う
追い出したと思っていても
いつのまにか そいつはまたあたしの中に巣食い
ばりばりと魂をむさぼり食らう
あたしは見えない血を流し
声にならない叫びをあげる
そしていつしか
あたしも一匹の鬼になって
見知らぬ誰かを むさぼり食らう
小暗い闇の中に 鬼が笑うよ
あたしの魂の さいごのひとかけらまで
一粒残らず食い尽くすまで