飢えた雄猫
いくら腹がへったからといって
人の手から餌をもらっちゃいけない
お前は決しててなずけられない
孤高の野良ではなかったか
人は
あの手この手で お前の心を捕まえようと
美味しい餌をちらつかせる
でも 飼いならされるくらいなら
都会のビルとビルの間の
こぶしも入らぬ隙間の中で
ひっそり死んでいって欲しい
何者にも心開かず
何者にも操られず
媚びることなく
孤独の中で 産み落とされた
気高い野良
孤独のままに 生きて 死ぬ
飢えた魂を抱いたまま