花の骸(むくろ)



寂しさは
たぶん わたしの体ばかりか
魂(こころ)までも飼い慣らして
勝ち誇った笑みを浮かべて逃げ去るんだろう
最後にわたしの
息の根も止めて。

桜の樹の根本に散りしだいた
花の骸(むくろ)みたいに
蹂躙されていく
でも   それもいい
かなうことなら このまま
花びらと一緒に
葬ってほしい
春が過ぎる前に

暖かい土に還って
永劫に眠りつづけることができたら
きっと
二度と寂しくはない