風葬


骨片の まだ熱いうちに
白い陶器の鉢で 擂(す)りつぶす

がぃろ がぃろと 何度も擂(す)れば
骨は目に見えない粒子になって風に舞う

粒子は 懐かしい人たちの声に送られて
歌いながら 囁きながら 谷を越えていく

いつかは木々の 根に舞い降りて
その糧になる日を夢に見る

葬ることは 忘れることじゃなくて
またいつか 会う日のための
惜別の儀式

風に運ばれて
永遠の野に眠る