薄荷色の雨がふるよ
捕まえたくて 両手広げたけど
手と手の間をすりぬけていく
時の小人のように

薄荷色の雨がふるよ
包まれてみたくて 傘 たたんでみたけど
凍てついた大地にしみていくだけで
心まで濡らしてはくれない

薄荷色の雨の中で
いつか見た湖水の波紋と
乳色に立ち込めた霧を思う
あの頃はなんて 心安らかだったのか

薄荷色の雨を見ながら
無くしたものの残骸をかきあつめ
抱きしめてみる
すぅっと  透明な匂いがした